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「変化」と「人間」 〜現状に満足しているわけではないけれど、新しい一歩が踏み出せない〜(1/5)

おはようございます。

「金澤ゆい」です。

今回から5回にわたって、人間の変化を嫌う原因(心理学も含めて)や、解決策等について、お話できればと思います。

読みやすいように、短く分けて連載にしております。

日本では就職してから定年するまで、同じ会社で働き続けるのが一般的でした。

いわゆる、終身雇用というものです。

同じ場所で長年勤め上げた方が、我慢強く、むしろそれが普通、と言われる環境でした。

実際に、転職率は世界的に見ても低い数値で、転職すると収入やキャリアなどでリスクを背負うことになるのが今の日本です。

「転職」という言葉にネガティブなイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。

転職を繰り返している人を見ると、あまり良いイメージを抱かないということもあるかと思います。

何かを変えたいと思ってもリスクが大きいので踏み出せない。

受け入れてくれない暗黙のルールがある。

私も会社を退職する際には「良いの?」「思い切ったね」「キャリアを捨てるの?」などと言われておりました。 

「転職したいと思いながら、今もズルズル仕事を続けている。」

「もう好きではない恋人と、なんとなく付き合っている。」

「やってみたいと思っている事はあるが、行動できずにいる。」

現状に満足しているわけではないけれど、新しい一歩が踏み出せずに、ズルズルと今まで通りの状態を続けてしまっている。

そんな経験はございませんか。

ドキッとした方もいらっしゃるかもしれません。

「まあ〇〇だからしょうがない」と理由を見つけて自分自身を納得させたり、「また後で考えよう」などと先送りを続けたりしていませんか。

こうしたことが起きるのは、私たちは無意識のうちに現状を維持しようとする性質を持っているからです。

なるべくリスクを避け、自分を守りたいという心理が働いています。

現状を変えるというのは、変化を起こすということです。

失敗のリスクや、現状より状況が悪化する可能性や、批判されることになるかもしれません。

しかし、現状維持をすれば、そうしたリスクを負う必要もありませんし、労力をかけないですみます。

こうして、私たちは無意識のうちに「何もしなくて良い理由」を探してしまうのです。

学校や職場でも、新しいことにチャレンジして、変化を起こすより、何もしない方が平穏だったと思うことがあるはずです。

このような心理的な働きによって、非合理的な選択をしてしまうことがあります。

これを「現状維持バイアス」と言います。

現状維持バイアスとは、変化によって得られる可能性がある「得(リターン)」よりも、それにより失う可能性のある「損失(リスク)」に対して、過剰に反応してしまう傾向のことです。

次回は、この現状維持バイアスがなぜあるのか、お話していきたいと思います。

では、また。