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人口の半分が働き過ぎ、半分が平等な機会を与えられない!?

おはようございます。
金澤ゆいです。

2023年6月20日に世界経済フォーラム「ジェンダー・ギャップ指数2022」が発表されました。
※ダボス会議の主催者・世界経済フォーラムは2006年から「経済・教育・医療へのアクセス・政治参加」の4つの分野で、各国の男女間の格差を調べ、発表しています。

世界各国の男女間の平等について調べた調査で、日本は政治参加の分野で格差が大きく、調査対象となった146か国中125位となり、去年の116位から後退しました。
調査対象の146か国のうち、男女間の平等が最も進んでいるのは、14年連続でアイスランドとなり、続いて2位がノルウェー、3位がフィンランドと北欧の国々が上位を占めたほか、4位はニュージーランドとなっています。

<ジェンダー・ギャップ指数 各国のランキング>
※()は前年の順位

1位 アイスランド(1)
2位 ノルウェー(3)
3位 フィンランド(2)
4位 ニュージーランド(4)
5位 スウェーデン(5)
6位 ドイツ:G7(10)
7位 ニカラグア(7)
8位 ナミビア(8)
9位 リトアニア(11)
10位 ベルギー(14)
・・・
15位 イギリス:G7(22)
30位 カナダ:G7(25)
40位 フランス:G7(15)
43位 アメリカ:G7(27)
79位 イタリア:G7(63)
105位 韓国(99)
107位 中国(102)
125位 日本:G7(116)
146位 アフガニスタン(146)

調査対象の国の数には変動があるため単純比較はできませんが、今回の調査で日本は過去最低の順位となりました。
特に「政治参加」の評価では、順位は146か国中138位と最下位クラスです。

2021年の衆院選挙後は女性衆議院議員の割合が減少し9.7%となり、閣僚では8.3%で、最も低いレベルになっており、前年から改善がみられていません。
日本は国会議員に女性が占める割合の少なさや、企業における女性管理職の少なさ、非正規雇用者に占める女性の割合が男性の約2倍であること、男女の賃金格差などが指摘されています。
※2022年7月の参院選では女性の割合が過去最高の28%(以前は23%)となったが、スコアには反映されていない。

一方で今回の調査には反映されていませんが、今年行われた統一地方選挙では、地方議会の当選者の女性割合が約20%と過去最も多くなりました。
全ての地域で女性議員の割合が増加しているわけではなく、未だに女性の地方議員が居ない地域もあります。しかし、地方議会は議員の定数が多く、また女性の首長がいる地域では政治参加の機運が高まっていたり、女性を支援しようというネットワークができてきたりすること等、地方で女性議員が増える余地はあると言えるでしょう。

さて、日本では男女平等の問題は、政治や社会制度の問題だと考えられがちですが、この問題で最も重要なのは意識改革と言えるでしょう。
男女平等が進めば男性の特権が失われる可能性があるのでは、と思われる方もいるかもしれませんが、男女格差がある社会は男性にとっても不幸なものかもしれません。例えば、日本の男性は世界と比較しても働きすぎと言えます。女性が社会進出し、男性と同じように働くようになれば、男性の働きすぎの軽減にもなるでしょう。

つまり今の日本は「人口の半分が働き過ぎ、半分が平等な機会を与えられない状況。」これを是正していくのは国民の幸福度が向上するとも言えるのではないでしょうか。

大切なのは、私たちの”意識”と”行動”です。

アイスランドでは1975年10月24日に「女性の休日」と題され、国中の女性たちが大規模なストライキを行い、社会変化のターニングポイントになったと言われています。アイスランドは男女平等の進んだ国ですが、保育園不足など、課題はまだあると言えます。日本と異なるのは、不満や課題があるときは、国民が声を上げて現状を変えようと行動を起こすことです。

日本では、我慢して耐え忍ぶことが美徳とする風潮がありますが、行動を起こして立ち上がらなければ、社会には反映されないでしょう。あきらめたり、批判をするのは簡単です。自分で立ち上がるのが難しければ、誰かに想いを託すのもひとつの手段だと思います。

本来、ジェンダー平等や女性の権利については、日常的に議論されるべきことです。皆さまの小さなアクションが、いずれ社会を動かす大きな力になると信じています。
私たちの意識と行動でしか世の中を変えることはできません。

私は社会の不合理を是正し、自由に選択できる社会を創るべく、日々さまざまな方と対話し続けております。
私も応援してくださる方々、社会の不合理に苦しむ方々、そして未来を生きる子どもたちが”明日はより良い”と信じられる日本を創るために、これからも活動を続けて参ります。

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社会と女性・政治と女性 〜そろそろ本気で改革しませんか〜

おはようございます。

「金澤ゆい」です。

本日も、深川エリア、城東エリアで活動してまいりました。

桜が見頃を迎えており、とても美しいです。

今年は、宴会などを含むお花見ができず、少し寂しくもありますが、密を避けて散歩をするなどして、四季を楽しみましょう。

みなさまも引き続き、感染症対策をよろしくお願いいたします。

早速ですが、応援してくださっている方には女性も多く、オリンピックの事例などから女性の社会進出等について議論される場面も多くなってきました。

しかしながら、日本のジェンダー・パリティの指数*1 は、世界153カ国中121位となっています。

最初に調査が行われた2006年は80位でした。

この15年間で、41ランク落ちたことになります。

日本は現時点でのジェンダー・ギャップは先進国で最大です。

日本政府はジェンダー・パリティ推進として、安倍元首相が2013年、社会のあらゆる分野で2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%へ、「女性が輝く社会」を実現すると公約しました。

しかしながら、現実は公約通りに進展しておらず、2030年へと目標が先延ばしになりました。

*1:ジェンダーパリティ指数(Gender Parity Index):就学者数における男子に対する女子の比率を示す指数

Source:世界経済フォーラムのグローバル・ジェンダー・ギャップ(世界男女格差)レポート2020

なぜ日本は、これほどジェンダー・ギャップがあるのか。

その格差改善における重要な領域が “政治” です。

政治参画の指数で、日本は現在、世界最低の10カ国の中に入っています。

日本では、女性が首相になったことはなく、女性の衆議院議員の割合は約10%と世界最低の水準で、先進国の平均を約20%下回ります。

日本はまた、経済的なジェンダー・ギャップについても、是正ができておりません。

女性役員・管理職は全体の約15%であり、女性の所得は平均すると、男性の約半分です。

女性の活躍推進のためにも、政治参画を向上させることが鍵となります。

現在の女性の指導的立場のロールモデルがほとんどないことも、問題の1つです。

政治家の女性の数が増えれば、より多くの女性がそれをロールモデルとして、政治や指導的立場に参入する道を選択できるキッカケとなります。

政権に女性が占める割合が高い国では、企業の指導的立場に女性がいる率も高いということが分かっています。

近年になり「男性は仕事、女性は家事」といったジェンダー規範は薄れてきたものの、政治の世界や、管理職の世界になってくると、女性はそのしがらみにまだ囚われている状況です。

例えば、会社で出世競争に勝ち抜くためには、積極的に成果を残して行動する必要があるとします。

そのような「男らしい」行動をとる女性は「女らしくない」と言われる環境が今も残っています。

男性だったら「リーダーシップがある」と評価される行動も、女性の場合は時にして「偉そうだ」と言われます。

以前のブログ*2 でお話しした、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)の働きによって、自分は男女差別をしているつもりはなくても、男性と女性に対して異なる基準を当てはめてしまっていたりするのです。

男女の差別をしないはずの組織ですら、大きな男女の不平等が生まれてしまっているのです。

このままでは女性も、そして若い人も、政治の世界に入ってこなくなってしまいます。

これらは、長い間常識となっていながらも、改革が行われてきませんでした。

女性の活躍を促進することは、金銭的な利益にもつながります。

さらに多様性がある企業ほど長期的な業績が良く、ジェンダー・パリティを経済で実現すると日本のGDPも増加すると推定されています。

日本は今こそ、女性も活躍できる、前向きでインクルーシブな目標や施策を取り入れる時です。

社会が変わろうとしている中、政治の世界だけが時代に取り残されています。

繰り返しになりますが、女性活躍の鍵となるのが政治の世界です。

例えば、クオーター制度や、同一労働同一賃金の浸透、男女の双方を支援する新しい家族政策などを、検討していく必要があります。

政治の世界への女性活躍が進むことで、企業の女性の指導的立場の割合も増え、日本全体の発展へと繋がると確信しています。

*2:下記が以前のブログになります。社会人や学生、多くの方に知っていただきたい内容です。

アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)へ意識を向ける 〜女性蔑視の発言を受けて〜

おはようございます。

「金澤ゆい」です。

東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の発言が国内外、男女を問わず多くの批判を呼んでいます。

誰にでも失言はあると思いますが、これは女性蔑視の氷山の一角であり、問題は根深いと考えます。

私は長年、民間企業で働いてきました。

ビジネスマンとして、また政治の世界に来てから感じることを、「女性」という視点から、お話したいと思います。

日本企業において、女性活躍の声が上がったのはここ数年であり、企業として行動に移せているところはまだ少数です。

なぜなら、この森氏のような方々が、日本企業にはまだまだ沢山残っているからです。

しかもこのように発言することのない、隠れた方々です。

現在の日本社会における意思決定者のほとんどは男性です。

「女性に出来るはずがない」

「子供を産んだら辞めてしまう」

「自分たちのポストが脅かされる」

という心理から、なかなか女性活躍の改革に踏み出せていない事が伺えます。

しかし日本の発展のためにも、女性の社会進出は重要と言えます。

この場合、人事と企業の制度設計が非常に重要になってきます。

成功体験に基づいた合理性のない判断ではなく、年功序列でもなく、実力に伴った制度設計が必要です。

子供を産んでキャリアと両立できない環境も、制度設計で見直していくしかありません。

このままでは、いつまで経っても女性活躍の場は増えません。

これは文化が生んだ根深い問題であり、すぐには解決できないと思います。

辛抱強く、試行錯誤しながらの改革が求められます。

ここで大切なのは、その本人たちは、あまりにも当たり前すぎて、自覚がない場合が多いのです。

それを「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」と言います。

アンコンシャス・バイアスとは、自分自身が気づいていないものの見方や捉え方のゆがみ・偏りをいいます。

誰もが何かしらの、アンコンシャス・バイアスを持っています。

アンコンシャス・バイアスは何気ない日常の行動や言葉に現れます。

今回の森氏の発言もそうだと想定できます。

女性や若い人に対して見下したような態度や言葉を投げかけたり、マイノリティを無視するような発言をしたり・・・

このような方々を置き去りにするのではなく、組織全体で意識を変えていく必要があります。

大企業では、アンコンシャス・バイアスの意識改革のトレーニングを始めているところもあります。

例えばGoogleでは、社員が偏見を理解し、多様な視点を持ち、行動と企業文化を変えるために、2013年5月から「アンコンシャス・バイアス」と名づけた教育活動を開始しています。

現在では全世界で2万人以上の社員がそのトレーニングを受けているとのことです。

多様な価値観やライフスタイル、属性の人が働く職場では、アンコンシャス・バイアスは重要なテーマです。

組織内でアンコンシャス・バイアスに意識を向けることは、職場の心理的安全性が高まり、組織と個人のパフォーマンスの向上に役立つと言われています。

今回の発言に対し社会全体がこれだけ問題として取り上げていることは、日本の女性活躍推進に向け、大きな前進です。

一部のジェンダーレスの方や女性だけでなく男性も、森氏の発言に違和感を持ち、問題視しています。

このような方々の意識改革が、一部の先進的な大企業の取り組みにとどまらず、社会全体で変えていこうとの意識や流れに変わってきているのを感じます。

そして政治の世界にこそ、その流れが必要です。

次回は、政治の世界に踏み込んでみて感じる「女性と政治の世界」について、お話させていただきます。